★★食育だより 11月号★★

1年生 「ナトリウムの不思議」~日本人の食塩摂取~

☆食塩の働き

食塩は、別名、塩化ナトリウムと言います。ナトリウムには、様々な働きがあります。特に、塩分の取り過ぎで起こる病気の一つに、「高血圧」があります。塩分には水分を取り込む働きがあり、体の中に塩分が増えることで同時に水分も増えていきます。血管の中の水分が増えることで、血圧が上がり、高血圧になるそうです。さらに、血管はゴムのような素材でできているため、血流に合わせて伸び縮みすることができますが、古くなると輪ゴムのように硬くなってしまいます。これを「動脈硬化」といいます。

☆生きるのに必要な塩分量・・・1.5g

☆日本人の食塩摂取量・・・男子11g 女子9g

日本人は体のために必要な量の約7倍の食塩を摂取しています。現在、塩分摂取目標量は、男子7.5g、女子6.5gとされていますが、世界のほとんどの国でこの目標量よりも多い塩分を摂取しているそうです。

☆減塩のために

まずは、食品に含まれる塩分量を確認するところから始めましょう。食品成分表示には、「塩分相当量」や「ナトリウム」の量が表示されていることがあります。「ナトリウム」の表示がされている場合は2.5倍することで食塩相当量が分かります。いろんな食材で確認してみましょう。

2年生 「鉄分をとろう」

☆鉄分の働き

給食は、いろんな栄養素に摂取基準が設けられています。その中でも、特に基準を満たすのが難しい栄養素が「鉄分」です。

鉄分は、血液中のヘモグロビンをつくるための材料となります。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割をしているため、少なくなると体が酸素不足となり、体調に影響が出てしまいます。これを「貧血」といいます。

☆鉄分には種類がある

鉄分には、体への吸収率が高いヘム鉄と、吸収率があまり良くない非ヘム鉄があります。

・ヘム鉄を多く含む食べ物 :レバー、牛肉、ツナ、あさり、しじみ、マグロ、カツオ

・非ヘム鉄を多く含む食べ物:小松菜、ほうれん草、卵、大豆製品

 一昔前は、ひじきにも鉄分が多く含まれていたそうですが、それは、鉄釜で調理することで成分が移っていたようです。現在はステンレス性の調理器具が主流となったため、ひじきは鉄分の多い食材ではなくなってしまいました。

3年生 「コツコツ貯金を続けよう」

☆12~14歳のカルシウム摂取推奨量・・・男子1000mg 女子800mg

☆実際の摂取量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男子700mg 女子600mg

中学生に必要なカルシウムの量を十分に摂取するのはとても難しいです。しかし、給食では、1日に必要な量の大体半分程度である450mgを摂取することができます。給食がなくなった15歳以上の年齢では、さらに摂取する量が減ってしまいます。

☆骨密度を上げられるのは今だけ!

カルシウムの多い食品は、乳製品、小魚、野菜、大豆製品、海藻、種実などです。骨ごと食べられる魚や魚の缶詰、青菜などにも含まれており、大根にはあまり含まれていないのに切り干し大根になると含まれる量が増えるなど、代表的な牛乳以外にも、意外な食材にカルシウムが含まれています。

中学校を卒業し、給食がなくなっても、カルシウムの多い食品を自分で選んで摂取するようにしましょう。